〜事業再構築補助金の後継として登場!ものづくり補助金との違いも〜
はじめに:2025年、中小企業の“次の一手”を後押しする補助金が登場
2024年末をもって、「事業再構築補助金」が終了し、その後継とも言える補助金制度として新たに登場したのが【新事業進出補助金】です。
本制度は、単なる「新商品開発」や「設備更新」ではなく、中小企業が既存のノウハウを活かしつつも“まったく新しい事業”へ進出し、企業規模の拡大と賃上げを両立させる取組を支援する、非常に野心的かつ戦略的な補助金です。
本記事では、
- どんな企業が申請できるのか
- どのような経費が対象になるのか
- 他の補助金(事業再構築補助金/ものづくり補助金)との違い
- 採択のポイントや注意点
を整理し、補助金を有効に活用するための実践ガイドとしてお届けします。
1.新事業進出補助金とは?その概要と目的
新事業進出補助金は、以下のような目的を持って設計されています。
- 中小企業が異なる分野の新事業に挑戦することを支援
- その結果、企業規模の拡大・生産性向上・賃上げの実現を促す
つまり、この補助金は“単なる製品の改良や既存事業の強化”を目的としておらず、あくまで新規性のある事業分野への進出が前提条件です。
■ 活用事例(中小企業庁PR資料より)
- 機械加工業のノウハウを活かし、半導体製造装置部品の製造へ進出
- 医療機器製造の技術を応用し、ウイスキー製造へ参入
共通しているのは、既存事業のノウハウを活かしながらも「まったく異なる市場」へ参入している点です。
2.申請対象となるための基本要件(審査で落ちないために)
申請にはいくつかの“基本要件”を満たす必要があります。以下がその主な内容です。
(1)対象企業:中小企業・小規模事業者など
- 既存事業とは異なる「新規事業」に進出しようとする中小企業
- 新製品・新サービスを“新規顧客”に提供することが条件
(2)事業計画に必要な要件(3~5年計画)
要件①:付加価値額を年平均4%以上増加させる
※付加価値額 = 営業利益+減価償却費+人件費
要件②:給与支給総額を年平均2.5%以上増加
または
「1人当たりの給与支給総額が、過去5年間の最低賃金上昇率以上」とする
要件③:事業場内の最低賃金を「地域別最低賃金+30円」以上に設定
要件④:次世代法に基づく「一般事業主行動計画」を策定・公表
(育児休業取得促進等に関する社内制度)
🔎ポイント
これらは「ものづくり補助金」とよく似ていますが、付加価値や賃上げに関する要件はやや厳しめです(後述)。
3.補助金額と補助率:最大9,000万円の大型支援!
補助上限額(通常枠)
| 従業員数 | 補助上限額 |
|---|---|
| 20人以下 | 2,500万円 |
| 21〜50人 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,500万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 |
【特例枠】大規模賃上げ特例を満たす場合
| 従業員数 | 補助上限額 |
|---|---|
| 20人以下 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 9,000万円 |
補助率
- 2分の1(50%)
つまり、2,000万円の設備投資を行った場合、1,000万円の補助金を受けられる可能性があります。
4.補助対象となる経費とは?
以下のような設備・投資が対象になります。
| 経費区分 | 補助対象の例 |
|---|---|
| 建物費 | 工場・店舗・オフィスの新築、増改築など(条件あり) |
| 構築物費 | 駐車場、看板、外構など |
| 機械装置・システム構築費 | 製造機器、業務システム等 |
| 技術導入費 | 特許購入、ライセンス取得費など |
| 専門家経費 | 外部コンサル報酬など |
| 広告宣伝・販売促進費 | チラシ・HP制作、展示会出展など |
✅【注目】建物費・構築物費が対象となる点が、ものづくり補助金と大きく異なるポイントです。
5.補助金返還が必要なケースとは?【収益納付なしでも注意】
■収益納付:不要
新事業進出補助金では、「補助事業によって利益が出たら返還しなければならない」という収益納付制度はありません。
→ つまり、補助金を活用して成功しても、返還義務なし!
■ただし、返還リスクがゼロではない!
以下の要件を満たさなかった場合には、補助金返還を求められる可能性があります。
- 給与支給総額の増加が未達成
- 最低賃金水準の維持ができなかった
🔄【補足】
目標未達でも免除される場合もありますが、事業計画でコミットした賃上げは“原則履行”が求められます。
6.事業再構築補助金との違い
| 比較項目 | 事業再構築補助金 | 新事業進出補助金 |
|---|---|---|
| 対象事業 | 既存事業の再構築も可 | 完全な“新事業”への進出が条件 |
| 補助対象 | 一部、既存設備の変更も可 | 新製品・新サービス+新規顧客 |
| 補助額上限 | 最大6,000万円程度(通常枠) | 最大9,000万円(特例枠) |
| 収益納付 | 必要 | 不要 |
| 公募状況 | 2024年終了 | 2025年より新設 |
🎯【結論】
再構築補助金よりも“攻めの投資”に特化しており、補助額・柔軟性ともに進化した制度です。
7.ものづくり補助金との違いと選び方
| 比較項目 | ものづくり補助金 | 新事業進出補助金 |
|---|---|---|
| 対象事業 | 既存事業の高度化・効率化等 | 異業種への新事業進出 |
| 補助対象経費 | 機械・システム中心 | 建物費や構築物も含む |
| 要件(付加価値) | 年3%以上 | 年4%以上 |
| 要件(賃上げ) | 年2%以上 | 年2.5%以上 or 最低賃金上昇率 |
| 補助金上限 | 最大1,250万円程度 | 最大9,000万円 |
✅【選び方の目安】
- 同一業種内での機械更新・生産性向上 → ものづくり補助金
- 異分野の事業進出、新製品開発+新市場開拓 → 新事業進出補助金
8.申請のポイントと準備事項
✔ 採択される事業計画のポイント
- 「なぜその新事業に取り組むのか」という【戦略性・必然性】
- 既存事業の強み・ノウハウがどう活かされるか
- 新規顧客の開拓性(ターゲットの明確化)
- 財務計画に裏付けされた“賃上げ”と“成長性”
✔ 早めの準備がカギ!
- 公募開始は【2025年4月以降】と予想されますが、事業計画の構築には時間がかかります。
- 補助金申請は「書類勝負」です。専門家のサポートを受けるのがおすすめです。
9.まとめ:攻めの設備投資を後押しする大型補助金
新事業進出補助金は、以下のような企業に最適です。
- 異業種に進出し、会社の成長を加速させたい
- 自社の強みを活かして新しい市場で勝負したい
- 工場や販売拠点を新設・改装したい
- 人材への還元(賃上げ)も計画に含めている
🔔 補助金は“未来に投資する会社”にこそ有効なツールです。
チャンスを逃さないために、ぜひ今のうちから事業計画を立て、申請に向けた準備を始めてください。







